ガラス屋に聞く!謎のひび割れ「熱割れ」について

原因不明のひび割れ 原因不明のひび割れ

超常現象じゃない!ガラスのひび割れには原因がある

割れたガラス

ガラスに衝撃を加えたわけでもないのに、ひびが入っていたということはありませんか。もしあれば、それは「熱割れ」が原因になっています。熱割れと何なのか見ていきましょう。ガラス屋にガラス交換を依頼しようと考えている人も、熱割れについて知っておくと良いです。

ガラス屋さんが教えるひび割れの原因

ガラスは温度差によってひび割れを起こします(30代/ガラス屋)

窓などのガラスでは、直射日光の当たる部分と当たらない部分で温度差が生じます。ガラスは吸熱すると高温になり膨張しますが、ガラスの周辺部では逆に放熱が起こっています。金属のサッシで熱が放出されやすくなっているのです。高音部の膨張を周辺部が抑えるかたちになるので、このときの圧力差でガラスにひびが入るのです。この圧力を「熱応力」と言い、それによって起こるひび割れを「熱割れ」と言います。熱割れは物理現象であるため、現状では完全に防ぐことは困難です。割れたときは応急処置を行ない、早めに交換しましょう。

熱割れが発生しやすい条件

網入りガラス・熱線吸収ガラス
網入りガラスや線入りガラスは内部に金属が入っているため、温度上昇と熱膨張を起こしやすいです。これは金属とガラスの性質が異なるためです。熱線吸収ガラスにも同様のことが言えるので、共に気を付けなければいけません。
カーテンや冷暖房器具の影響
ガラス付近にカーテンや照明、インテリアなどがあるとそこに溜まった熱を吸収して熱膨張が起こります。その結果、ガラスとカーテンの間に熱がこもって熱割れが発生しやすくなるのです。冷暖房機による温度差にも注意が必要です。冷暖房機から発生する風が、ガラスに直接当たらないようにしましょう。
ガラスの固定方法と大きさ
ガラス内に生じた温度差が均一であっても、ガラスの面積自体が大きければ、結果的に発生する熱応力も大きくなります。よって、熱割れが起こりやすくなるのです。窓ガラスなどの固定に使われるサッシを断熱性の高い材質に変えるだけでも、熱割れのリスクを減らすことができます。

太陽の熱を吸収してガラスが膨張!?~熱割れのメカニズムとは~

日本は四季が明瞭のため、1年を通して気温や湿度には差が生じます。熱割れが起こるリスクはどの建物にもあるので、出来る限りの対策を行なうことが大事です。熱割れのメカニズムをもう少し見ていきましょう。

熱割れが発生するメカニズム

通常のガラスの状態

窓ガラスは、通常サッシにはめ込まれています。サッシの中の部分にあるガラスは外からは見ることができません。

直射日光を受けたガラス

直射日光の当たったガラス部分は、暖まって膨張します。それに対して、サッシの中のガラスは日光に当たっていないために暖まらずに低温状態を保ちます。

ガラスの温度差

サッシ内部で低温状態にあるガラスは、暖まって膨らんだ中央部分のガラスを拘束するかたちになります。ここで発生するのが引張応力、いわゆる「熱応力」です。

膨張して熱割れが発生

そして、熱応力に耐え切れなくなると、ガラスは割れてしまいます。この現象が「熱割れ」なのです。

熱によってガラスが割れる原因とは?

ガラスは許容応力を超えると割れてしまいます。(40代/ガラス屋)

耐熱性でないガラスコップで考えると分かりやすいです。熱湯を注ぐと、直接熱湯の掛かっていない部分に熱が届くまでに時間が掛かります。熱湯が掛かった瞬間にそこで膨張が起こるのに対して、熱がまだ届いていない部分がその膨張を抑えようとしてしまいます。このときの圧力差でコップは割れてしまうのです。

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